Hiroshi Mori, 笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE
「人間の最も弱い部分とは、他人の干渉を受けたいという感情だ。自己以外に自己の存在を求めることが、人間の本能としての幻想だ」
「人に好かれたいと思う感情が、通常、その人間の内部の思考領域を限定する。その感情こそが自由を奪うのだ。私が望む意志は、もっと強く自由なもの。それは自分自身の中の無限。思考の無限だ」
「少なくとも数学者だけは、自分たちが役に立つなどとは決して言わなかった。何故なら、それが我々の唯一の真理であり、名誉なのだ」
「いついかなるときでも、けっして時間を気にしてはいけませんよ。理解できないというのは、身を引いて、考えるのをやめてしまうからです。面白いことから逃げてはいけません。人間としての鉄則です」
「鶯の美しい声に、何の意味があろう?森へ行ってきいてみるがよい。何のためにお前たちは鳴くのか、とな。すべての美は、それを尋ねる者には、役に立たぬものだ」